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お金の不安をどう解消する?金融庁報告書



老後2,000万円不足問題ばかりが注目された金融庁報告書ですが、内容はリーズナブルです。特に「老後生活には公的年金だけでは不足するので自助努力が必要」ということは「やはりそうか」と一般には受けとめられています。

自助努力とは、見える化(現状分析)、ライフプラン・マネープランの作成、適切な資産運用を中心とする自助行動でした。しかしこれは金融機関の勤務者でもなければかなりハードルが高いといえます。誰かに教えてもらったり、相談したりしたくもなろうというものです。実際、この6月以降、金融機関などが開催する無料の運用セミナーはかなりの申込があったとも聞きます。

そんな頼りになる相談相手は誰なのでしょうか。また、どうやって探せばよいのでしょうか。

目次

報告書では・・・

報告書でも、このあたりは当然ながら意識されています。

「本報告書の公表をきっかけに金融サービスの利用者である個々人及び金融サービス提供者をはじめ幅広い関係者の意識が高まり、令和の時代における具体的な行動につながっていくことを期待する」とあります。

もともとこの報告書は、金融サービスの利用者である個々人たる一般国民と、金融サービス提供者たる金融機関の両方に向けられているのです。
「考えられる対応」について「個々人にとっての資産の形成・管理での心構え」と「金融サービスのあり方」に分けて論じており、それぞれに附属文書があって詳しく述べられています。

そして「投資による資産形成の必要性を感じつつも、投資を行わない理由として上位を占めているのが、『まとまった資金がない』、『投資に関する知識がない』、『どのように有価証券を購入したらよいのかわからない』という回答であり、顧客側の問題に加え、金融機関側が顧客のニーズや悩みに寄り添いきれていない状況が窺える」と金融機関のこれまでの対応に批判的な態度が窺われます。

なお、報告書では「金融サービス提供者」という用語が出てきますが、金融機関とほぼ同義といって差し支えありません。また、アドバイザーとして「金融機関」の他に「独立アドバイザー」が想定されています。

アドバイザーの必要性

またまたちょっと退屈ではありますが、このあたり報告書がどのように述べているかもう少し見てみましょう。

「個々人のライフスタイルが多様化する中、金融商品・サービスも多様化してきている。こうした多様な商品・サービスを個々人が自身の力のみで選ぶことについては、人によって困難が伴うことも想定される。」

「この観点から、個々人に的確なアドバイスができるアドバイザーの存在が重要である。現状では、その役割は主として本人に一番身近な金融機関などが担うことが想定されるが」とここで「が」が付きます。やはり報告書は金融機関の現状にはネガティブなようです。

これまでの金融機関は...

私がファイナンシャルプランナーとして相談を受けた中で「これはひどいな」と思った事例が2つあります。いずれも高齢者の方です。

一つはメガバンクの事例です。定期預金が満期になったので銀行に行ったら、頼みもしないのに系列の証券会社を紹介したいと言われ、言われるがままに証券会社の(おそらく)営業マンの商品説明を受けることになった。そうすると紹介した方の銀行員も同席して、何だか両方から責められているような感じになり、断りにくくて勧められた商品を買ってしまった。その後含み損を抱えてしまった、というお話でした。

もう一つは地銀の事例です。やはり銀行に行ったら応接室に通されて、投資信託を勧められた。そのうち支店長が入ってきて「私が責任を持ちます。よろしくお願いします。」と言われた、というのです。

どちらもにわかには信じがたい話ではあります。しかし、ここまでは行かなくとも似たような話はその後も聞こえてきました。ファイナンシャルプランナーの仲間の中にも同じような話があったという人がいます。

本来は金融機関がアドバイザーとして期待される。しかし、これまでのやり方を大きく変えない限り、アドバイザーとしては疑問符がついてしまいます。

金融機関

ところで金融機関の役割とは何でしょうか。
これは「参考資料」に要約されています。
「 資産寿命を延ばす顧客の行動をサポートするため、金融サービス提供者に求められる対応
① 顧客本位の業務運営(顧客にふさわしいサービスの提供、手数料の明確化、分かりやすい説明等)
② 持続可能なサービス(サービスに見合った適切な対価の設定と説明)
③ 「自助」充実のニーズ増に応じた資産形成・管理やコンサルティング機能の強化  等」

①は昔から言われています。しかし、先ほど書きましたとおり、少なくともこれまではできていたとは言い難い状況です。

②も同様です。本来、投資信託や生命保険の手数料は、丁寧な説明や有益な情報提供の対価です。そうすると現状サービスに見合った適切な対価とは言えないでしょう。高すぎると言われても仕方ありません。

総合的なコンサルティング力

③は総合的なサービスの提供ということです。顧客に対する資産形成・管理のサポートや顧客のライフプラン・マネープランに関するコンサルティング機能、非金融サービスとの連携やワンストップ化の推進などが挙げられています。
大手金融機関であればグループ全体としては総合化されているところもあるでしょう。しかし、1個人顧客に対し適切に提供できているかというと、できていないと言わざるをえません。

報告書でも「現状では、その役割は主として本人に一番身近な金融機関などが担うことが想定されるが、業態ごとの商品・サービスが多様化しているため、単一の業態の金融サービス提供者が全ての商品・サービスを俯瞰したアドバイスを行うことには難しい面がある」と
述べています。

金融機関をどう選ぶか

引き続き報告書から引用します。

「金融サービス提供者を選ぶ際は、提供者が顧客の利益を重視しているかという観点から、長期的に取引できうる提供者を選ぶように心がけたい。」
「その一つの目安としては、前述したような商品の手数料は高すぎるものではないか、コストや対価は適当か、その説明は十分なものかといったことであろう。」

そのとおりです。でも金融知識において金融機関に劣る利用者にはなかなか判断できないのではないかと思います。

「そして、金融サービス提供者はこうした顧客の状況に対して、どれだけ顧客本位で一緒に考えることができるか。『自分ごと』として顧客に寄り添って考えることができる金融サービス提供者が顧客からの信頼を勝ち得ていくと考えられる。」

これもそのとおりです。ただこれは現状そのような金融機関がほとんどないことの裏返しではないでしょうか。

変化の兆しはある

ただ、変化の兆しはあります。大手銀行で手数料収入のノルマを廃止したり、預かり資産残高に切り替えたりする動きが出てきています。

これらにより、先ほど見たような顧客の事情を無視した「押し込み」や頻繁に乗り換えを勧めて販売手数料を稼ぐスタイルから、顧客の預かり資産を増やすスタイルへと営業姿勢が変化していくことが期待されます。

実際、メガバンクの販売手数料は前年同期比約40%減ったそうです。親しい地銀の幹部の方も、苦しいけれど「帰らざる河」だとのこと。ただ、貸出金利ザヤは縮小し、手数料収入も低調となると、本当にどう経営していくのかと真剣に悩まれていました。

金融機関は産みの苦しみの中にあるのです。

ではどこに相談すれば?

金融機関をアドバイザーとして頼るのはすぐには難しそうです。ではもう一つのアドバイザーである独立アドバイザーはどうなのでしょうか。
これについて考えてみましょう。

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