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お金の不安をどうする?金融庁報告書



老後2,000万円不足問題は相変わらずです。報告書はほとんど「不存在」といった状況に追い込まれていますし、政府的には「自助努力」はほとんど禁句のようになってしまっています。

しかしながら「老後生活には公的年金だけでは不足するので自助努力が必要」という「不都合な真実」は広く認識されたようです。日経とテレビ東京による世論調査では、老後資金の不足への対応について「年金以外の自助努力で不足を賄うべきだ」との回答が62%だったそうです。期せずして報告書の狙いはある程度達成できたといえるでしょうか。

ではいったいどう「自助努力」したらよいのでしょうか。何をしたらよいのでしょうか。

目次

報告書では・・・

ちょっと退屈ではありますが、この「自助努力」について報告書がどのように述べているかを見てみましょう。

「今何ができるか、何をすべきか。標準的なモデルが空洞化しつつある以上、唯一の正解は存在せず、各人の置かれた状況やライフプランによって、取るべき行動は変わってくる。今後のライフプラン・マネープランを、遠い未来の話ではなく今現在において必要なこと、『自分ごと』として捉え、考えられるかが重要であり、これは早ければ早いほど望ましい」とあります。

また、はっきり「自助」と記したこのような記載があります。「今後は年金受給額を含めて自分自身の状況を『見える化』して、自らの望む生活水準に照らして必要となる資産や収入が足りないと思われるのであれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった『自助』の充実を行っていく必要があるといえる。」

以上からすると、まずは「見える化」、ライフプラン・マネープランの検討、自助行動、そしてこれらをできるだけ早く行うべき、ということになりそうです。

まずは「見える化」

まずは「見える化」ということですが、この「見える化」については「自らの現在及び今後の資産や収入・支出を把握かつ見通しを立て(『見える化』)、安定的な資産形成を行うとともに、ライフプラン・マネープランを立てる」と記載されています。

一言でいえば「現状把握」ということになりましょう。現在の資産(負債)、収入・支出の状況およびそれらの将来予測を行うということです。当然ながら定量的であること、つまり数字で示されていることが必要になります。

この「見える化」がライフプラン・マネープランのベースになります。

ライフプラン・マネープラン

ではライフプラン・マネープランとは何でしょうか。
やや断片的ですが、ライフプラン・マネープランについては次のような記載があります。

「自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する」
「資産及び収入・支出状況と照らし合わせ、自らにふさわしい長期的なライフプランやマネープランを検討」
「そうしたプラン(自身の長期的なライフプランとマネープラン)にあわせて、自身の収入・支出の今後の姿や今後の資産形成について検討」
「その検討に際しては、一つの見通しだけでなく、楽観的、悲観的な見通しも考慮することが重要」

などです。「自身の」「長期的な」「見通し」あたりがキーワードでしょうか。

ライフプラン・マネープランとは何かということについては具体的には述べられていません。日本語で言えば「人生設計」ということになるでしょう。大まかに言えば、定性的に示したものがライフプラン、定量的に示したものがマネープランといえるでしょう。

老後の生活設計を考えているか

こうした人生設計・生活設計をどれだけの人が考えているかについて、報告書には興味深い記載があります。

「内閣府が実施した世論調査では、『老後の生活設計を考えたことがある』と回答した人は、全体で67.8%となっており、60 代をトップに30 代以上では軒並み50%以上となっている。また、『ある』と回答した人に対して考えたことがある理由は何かを問うたところ、多数を占めた回答が『老後の生活が不安だから』であり、多くの人が老後生活に不安を抱えている現状がわかる。」

もちろん「老後の生活設計を考える」ということはライフプラン・マネープランとイコールではありません。もっと簡単なことであろうことは容易に想像がつきます。それでも約2/3の人が老後生活の不安から老後の生活設計を考えたことがあるという事実は重要です。

「自助行動」としてなすべきことは

「見える化」、ライフプラン・マネープランの検討を行った後は「自助行動」となるわけですが、さて何をしたらよいのでしょうか。

報告書を引用してみましょう。
「他のアンケート調査でも、『老後に対する不安がある』と答えた比率が高い傾向があり、50 代以下の世代では、老後に対する不安要因として『お金』が挙げられていることが多い。」

「では、こうした老後の資金の不安に対して、どのように対処すればよいと考えているか。資産寿命を延ばすために必要なことを尋ねた調査によれば、『現役で働く期間を延ばす』、『生活費の節約』を挙げる回答が多いが、このほかに約3割の者は『若いうちから少しずつ資産形成に取り組む』を挙げている。」

ということで自助努力の主な方法としては「長く働く」「経費節減」「資産運用」があるということです。報告書にはありませんが、年金の繰下げ受給という方法もあります。

資産運用が「一丁目一番地」

金融庁の報告書ですから、これらの中でメインとなるのは「資産運用」です。報告書の中にも「長寿化が進行する中、資産寿命を延ばす観点から・・・」などと「資産寿命」という用語が出てきます。

資産寿命というのは耳慣れない用語ですが、
「資産寿命とは、『生命寿命』や『健康寿命』と関連して、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間。資産寿命が尽きた後は年金等のフローの収入のみで生活を営んでいくこととなる」と説明されています。

人生100年時代、老後30年時代、公的年金だけに頼っていては亡くなる前に資産が尽きてしまう。そうならないように、しっかり資産運用することで資産寿命を延ばしましょう。身も蓋もない言い方ですが、報告書を素直に読めばそういうことになります。

具体的に何をするのか

まずは資産形成です。報告書にいう「現役期」においては、出来るだけ早い時期から長期・積立・分散投資を行うということです。現役期ではまとまった資金を用意することは難しい。少額でもいいから投資信託などのいわゆるリスク資産を長期間かけて積み立てていく。老後のための資金を少しでも多くすれば「資産寿命」も長くなるわけです。

報告書にいう「リタイヤ期前後」「高齢期」については、「金融資産の目減りの防止」や「計画的な資産の取崩し」が必要になってきます。そのために何をするのかについては、報告書にはあまり詳しく述べられていません。が、それは一言でいえば、老後においても一部リスク資産による運用部分を残し、資産寿命を延ばしましょうということです。

従来、老後は預金などの安全資産による運用に徹し、大切な老後資金が運用失敗で目減りしないようにするのが鉄則とされてきました。しかし、この超低金利下、老後20年時代ならともかく老後30年時代では、高齢者の資産寿命が早期に尽きてしまう恐れがある。そこで、リスク資産の活用と計画的な資産の取崩しにより、これを防がなければならないということなのです。

言うは易し行うは難し

自助努力とは、見える化(現状分析)し、ライフプラン・マネープランを作成し、プランをもとに労働延長などの自助行動、特に適切な資産運用を行うということでした。しかしこれは正に言うは易し行うは難し。独力ではなかなか厳しいものがあります。

誰かに相談した方がいいのか。そもそもそんな頼りになる相談相手はいるのか。そのあたりについて考えてみましょう。

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